放課後の音楽室に響くトロンボーンの音。美花はその音に引き寄せられるように、そっと扉を開けた。そこには、一心不乱に演奏する歩夢の姿があった。彼の真剣な表情に、思わず心臓が高鳴る。美花はいつもは言えない思いを、音楽に乗せて届けたいと思った。彼女は勇気を振り絞り、一歩彼に近づく。